2017年10月16日

歯磨き中にもってこい!「寝床で読む論語」山田史生 読了

これまた安く売っていたので、ついつい購入してしまった本。
論語を、丁寧に、流れをくみ、学術的に、、、、、

という風に、書いている本ではございません。
正直。

「寝床で読む論語」山田史生
歯磨き中にもってこい!「寝床で読む論語」山田史生 読了

論語の一説を抜き出して、それについて解釈を書いています。ショートショートを読んでいるようです。
その繰り返しの本で、文の1かたまりがちょうど良い長さ。
歯磨きをしている時に、程よく肩の力を抜いて読むのにぴったりな本でした。
トイレの中においておくにもぴったりな本だと思います。

歯切れのよい文で、気持ちよく読めました。

論語の訳がいいのか悪いのか、それは私のはわかりません。
でも、さすがは論語。
どんな読み方でも刺激を受ける一文はあります。

例えばこんな一文
子曰わく、君子は器ならず


先生は言われた。教養のある人間とは、何か特定の役に立つようじゃいけない


そして付け加えて
人間はたんなる道具じゃない。何かの役に立つかどうかなんて、どうでもよい。道具は、ある特定の用途のために存在する。そしてその用途にのみ有効である。そんな使い途の決まった人間は、有能であっても、つまらない。


と、なかなか面白い。
今の教育は、小学校から英語を習い、大学では過度に成果を求められ、実用的な人間の養成を求める風潮が強まっています。
その背後で、何の役に立つのかわからない哲学や文学といった分野は、どんどんすり減らされています。
 
参考 https://www.j-cast.com/2015/07/12239735.html?p=all

何かに役に立つことが強く求められています。そんな中で教養というものが育つのが難しいのではないかと。
教養ばかりではなく、研究におけるイノベーションもなくなるのではないかと、ノーベル医学生理学賞を受賞した大隅良典氏も危惧しています。
参考 https://mainichi.jp/articles/20161013/k00/00m/040/025000c

何かの役に立つことだけを目的とした教育はいいのか。
そんな疑問を今の時代に投げかけてくれます。

この本は2006年に書かれた本。
それから10年以上立つ今も通じていると思います。

楽しく読めたので、もし論語を学びたい人がいたら入り口としてはいいのではないでしょうか。

暇を潰すにはもってこいの本でした。





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Posted by 峰政 裕一郎 at 22:49│Comments(2)
この記事へのコメント
入院生活を送っていた頃、暇つぶしに売店で見つけた論語をベッドで読んでました。すると同じ病室にいた某患者さんが「論語読みの論語知らずってヤツやね」と言ってニヤリ。ぐうの音も出なかった記憶があります。クッ……ヤラ( ゚∀゚ )レタ!!!
Posted by 和歌山のスナフキン at 2017年10月17日 19:22
和歌山のスナフキンさん
コメントありがとうございます。
論語読みの論語しらす、、、、なかなかの名言ですね、私は論語知らずどころか世間知らずです。
自分の馬鹿さ加減を知るために本を読む。
知れば知る程、バカがバレる。
そして更に本を読む。
新たなバカな一面がでてくる。
常に、バカの進化ですよ(笑)
Posted by 峰政 裕一郎峰政 裕一郎 at 2017年10月22日 00:25
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