2014年02月07日

華氏451度。。。。コレ、予言の書ではないのか?スゴイ

本を読み終わった。
レイ・ブラッドベリ
華氏451度


華氏451度は本が自然発火する温度。
話は近未来。本を貯蔵することが禁止された社会。
密告制度が管理する社会。
ファイヤーマンは現代のように火を消すのが仕事ではなく、密告された民家を焼き尽くすのが仕事。家は完全防火で建築されて燃えない。本を含む家具が燃やされる。
人々は巨大なテレビを家族と呼んでずっと見たり、耳から小型ラジオをつけて絶えず刺激をもらう。気晴らしで猛スピードで車を走らせたりする。

主人公モンターグは焚書の仕事をして、通報を受けて本を燃やすことをしていた。特に考えず幸せだと思っていた。ある時、変な少女に出会い、自分の生き方を問うようになり、本を手にする。
そこから、彼の人生がめまぐるしく変わっていくお話。

この本が描いている社会は現代に投影することができるんじゃないだろうか。
人々は絶えず刺激を受けている。
刺激を受けてどうなったか。

暇を持たなくなった。

暇がないと、本を読むこともない、物思いにふけることもない、考えることもない。。。
暇とは、働いてないという状態ではない。刺激を受けていないということ。
現代を見回してみると、電車にのっていたり、ベンチに座っていたり、カフェでゆっくりしていたりするように見えるが、絶えずスマホをいじっている人を見る。
お気に入りのアプリやSNSで繋がっており、絶えず情報を更新しあい、刺激を受けている。家に変えればテレビはまさしく壁のように薄くなり、大きくなり、見てしまう。テレビを見ないという人もネットを使う。
そういう私もこうしてネットを使っている。
現代人は暇を持つことを捨てつつある。

その結果、考える力が弱くなってきているように思える。私もね。

この華氏451度はこんな現代をみすかしたような内容だった。

ちなみに出版されたのは1953年。

まさに予言の書。



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Posted by 峰政 裕一郎 at 23:21│Comments(0)
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